939 名前:('A`) 投稿日:2004/07/09(金) 23:36
人類が宇宙にその居住の場を伸ばし、
その繁殖欲がさらに刺激されつつある時代、太陽系142年。
人類がはじめて地球の外に永住可能なコロニーを完成させてから142年目のクリスマスイブ、
人類の中で欠陥個体とされ、迫害されていた童貞と、太陽系政府との戦闘が勃発した。
翌年の6月、童貞連合はその最期の時を迎えようとしていた・・・。
人並み以上の容貌がありながら、「貞操を守るべき」との信念のもと、童貞軍に身を投じ戦っていた一人の兵士も、
最期の戦いに身をおいていた・・・。

「う、うわぁああああっ!?」
「くっ、DO(ドー)3応答しろ!!」通信も空しかった。DO3とよばれたその機体は、
機体のモニターの中で爆発していた。
感傷に浸る暇はない。ロックオン警報が響き渡る。警報は、仰角6度、10時の方向から、
レーザー照射を受けていることを告げていた。機体をひねり、ブースターユニットを全開にする。
Gで体が潰されそうになるが、操縦レバーを必死に操作する。
後方から曳光弾が迫る。避けられない。
機体の武装アームを操作し、でその砲弾を受ける。
ガンガンガン!!敵弾は防いだものの、片方の武装アームが吹き飛ぶ。
「畜生!!」叫ぶが、敵にできた隙は見逃さない。一撃離脱を狙い、高速で離脱しようとする敵機に、
生きているアームに装備されたガトリングガンを浴びせる。弾丸は吸い込まれるように敵に命中した。
(仕留めそこねた!?)それでも、敵機は一瞬の間爆発もせず移動を続けた。
が、その直後敵機は、先ほどのDO3に劣らぬ綺麗な、そして冷酷かつ非情な宇宙の花火となった。
「流石だな・・・」その声は突如、機体内に響いた。
「その声、まさか・・・兄さんか!?」
「そうだ、久しぶりだな。その信念とやらで、父と母を童貞支援者呼ばわりさせ、辱めた罪、ここで償ってもらう。」
重武装の戦闘ポッドが立ちふさがる。
かつて兄弟であった二人は、今己の信念をかけお互いを宇宙の塵にしようとしていた。
宇宙(そら)編(完)  Next>>
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